轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

とうげにかんするに、さんのこうさつ

峠に関する二、三の考察

柳田 国男

「太陽」1910(明治43)年3月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 5,027 字 · 10 页

青空文庫

筑波神社の宝物に唐人の絵巻がある。開けば巻頭には、奥山の岩本清水、青蘿白雲猿の声も聞ゆるような風景である。この水が段々と集って淵を為し、松と岩との間を行くと、樵夫が徒渉し、隠者が腰をかけている。次には渓の処に樵夫の来た径があり、人家があって牛が行き、更に漁舟を浮べている者があり、橋が架って車が渡り、橋の下までは帆をかけた舟がのぼり、堤が低くなって水田が広く見え、城壁の下を流れて都府に入れば、岸には子供が集って軽業師の芸を見ている。狗が尾を振っている。柳があって青楼が列り、その先は即ち河口の港で、遠洋から帰った軍艦商船が碇を卸しているという趣向である。絵巻物のない国の人には解し得られない興味である。しかし絵なれば高々二十尺、二十五尺の、絹の上の変化であるが、天然は更に豊かである。同じ一つの峠路でも、時代及び人の生活、季節晴雨のかわるごとに、日ごとに色々の絵巻を我々に示して尽きないのである。