轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
こうじょうさいぼう
工場細胞
小林 多喜二
小林多喜二『工場細胞』。同一底本的分册已合并为一书。收入:工場細胞、独房、母たち。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 91,234 字 · 184 页
女が走ってくるのを認めると、男の顔が急に元気づいたように見えた。彼女は金網の間から紙を受取ると、耳に窓をあてた。
――監督にとられないように、皆に配ってくれ。頼みますよ。
男は窓の下へ音をさして落ちて行った。が、直ぐ塀を乗り越して行く悍しい後姿が見えた。
昼のボーが鳴ると、機械の騒音が順々に吸われるように落ちて行って――急に女工たちの疳高い声がやかましく目立ってきた。
――何ァによ、絹ちゃん、ラヴ・レター?
――ラヴ・レターの見本か? 馬鹿に太ッかいもんでないか。
それを見ていた男工も寄ってきた。
――そんな事すると、伝明さんが泣くとよ。
――そうかい、出目でなけァ駄目とは恐ろしく物好きな女だな?
皆が吹き出した。
田中絹代がビラを皆に一枚々々渡してやった。
――な、何ァんでえ、これはまた特別に色気が無いもんでないか。
――組合のビラよ。
失業労働者大会
・市役所へ押しかけろ!
・我等に仕事を与えよ!
・失業者の生活を市で保証せよ!
仕上場の方から天井の低い薄暗いトロッコ道を、レールを踏んで、森本等が手拭いで首筋から顔をゴシ/\こすりながら出てきた。