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こうじょうさいぼう
工場細胞
小林 多喜二
小林多喜二『工場細胞』。同一底本的分册已合并为一书。收入:工場細胞、独房、母たち。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 91,234 字 · 184 页
――「H・S」はそれに備えるために、政府を動かして、国民一般の愛国心とソヴエート・ロシアに対する敵慨心を煽り立てなければならなかった。
今年は更にロシアが組織的に、色々な手段を借りて、わが優良漁区の蚕食をやるという確実な噂さが立っていた。「日露」と「H・S」の株価は傾きかけた水のように暴落していた。
『H・S』のそういう情勢に対しては、河田は「工場細胞」の積極的な活動、「ニュース」による暴露、煽動、新しい「細胞」の獲得は云うまでもないとして、更にこの当面の「戦々兢々」たる動揺をつかんで、職工が労働者としての自分の立場と利益を擁護するために、
「工場委員会」の自主化
の闘争を起すように努力しなければならない事を提議した。
労働者がどんな資本の「攻勢」にもグイと持ちこらえ得るためには、何より工場全部の労働者が「足並」を揃えることだった。職場、職場で態度がチグハグなために、滅茶々々にされることはめずらしくないのだ。それは彼等が色々な問題について、工場の全部にわたって充分に討議する「機関」を持っていないところから来ていた。――その機関として、自主的な工場委員会が必要なのだ。