轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
こうだんし
巷談師
「別冊文藝春秋 第一七号」1950(昭和25)年8月3日発行
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 10,894 字 · 22 页
たまには上京もすべきであるが、汽車にのって新橋へついて酒をのんで酔っぱらって帰ってくるだけでは都の風も身にしみない。
そこで雑誌社の世話で、まず東京へつくと、自動車が待ちかまえている。これにのると、暗黒街とかエロショオとか泥棒心中の現場のたぐいに運ばれて、ちょッと人の見物できかねるものをユックリ見せてもらって、又、スルスルと自動車で今度は酒場へ。これだ。こんなウマイ手があるのである。それが巷談屋開業の重大決意(この言葉はこんな風に用いる)をかためるに至ったナイショ話というわけだ。おまけに全部官費で、どこまで間が良いか分らない。
巷談屋を開業する。開店そうそう大評判、ソレというので、大小新聞、あらゆる綜合雑誌(キングを含む)みんなオレのところへ巷談よこせ、といって押しかける。そうは参らん。そんなに見たり書いたりできない。一ヶ月は三十日、巷談屋の身は一つ、仕方がない。盛大な創業ぶりであった。
共産党文学青年の総反撃は巷談初の受難であるが、もとより私は驚かない。こんなにウマイ汁を吸うからには、暗黒街でピストルのそれダマをくらったり、エロショオでは警官に追いまくられたり、多少の受難は諦めてかかっている。