轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ばくまついしんかいこだん
幕末維新懐古談
高村 光雲
14 猛火の中の私たち
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 3,717 字 · 8 页
此所で一気息吐こうじゃないか」
父はさも安堵したような顔をして私を見ながらいいました。私は、父の声を聞きながら、荷物の番をしていた万年屋の方を向いて見ました。すると、万年屋の二階の雨戸が二、三枚、朱に染まった虚空の中へ、紙片か何んぞのようにひらひらと舞い上がりました。と、雨戸のはずれた中から真黒の烟がどっと出る。かと思うと、今度は真紅の焔が渦を巻いて吹き出しました。
「お父さん。万年屋が……」
と、いっているうち、見る見る一面の火となってしまいました。
私はこの時仕事師のいった言葉を思い出し、もう少しぐつぐつしていようものなら……と思わず身体が震えました。
私たちは、床店の屋根の上で、暫く火事の様子を見ていました。急に安心をした故か、この時初めて恐ろしい風だということに気が附きました。それまでは全く夢中でした。
それから、今日でもハッキリ記憶をしておりますが、万年屋の前で荷物の番をしている時、持ち出してある大酒樽の飲み口が抜けて、ドンドンと酒が溢れ出る。その酒のしぶきが私の衣物をびっしょりにしてしまいました。私は濡れたままで、仕事師に突き出され、人波に揉まれ、父に扶けられ、今、この床店の屋根に上って、父の傍で、師匠の荷物も何もかも火の海と化し去る所を見ているのでありますが、万年屋、山城屋(菜飯屋)などの火焔