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あきばしょから
平野零児随想集 らいちゃん
平野 零児
平野零児『平野零児随想集 らいちゃん』。同一底本的分册已合并为一书。收入:秋場所から、寡作流行作家、芸術は短く貧乏は長し、丹波篠山、百まで踊る下中翁、無情な今年の二月、雪解けにすべった丁玲女史、吉川さんの声と眼。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 21,838 字 · 48 页
「○○家」が「第十何号」と変っているだけであり、四本桂が赤や黒の短い房のブラ下ったのに変っただけであった。
勝負を見ていると、やはりテレビで見るより、実感が迫って、面白かった。昔の力士のように、ベタベタコウ薬をはったり、あまり超人間的な顔をした力士がなく、大体男振りもよくなっている。それに何回も水を入れるような取組もなく、仕切りも制限のため手取早いので、退屈しなかった。
幾つかの好取組もあり、私も完全に相撲の世界にとけ込むことができた。帰途尾崎君は神田の藪そばで、焼のりとテッカミソで低酌をし、更に銀座で乙なサカナで『賀茂鶴』を飲ましてくれた。「もう一度見ないか」と七日目の桟敷の切符を割いてくれた。二度目の帰途、ある酒亭で、二十年振りで、尾崎君同様のファン、小山寛二君にめぐり合った。
相撲ファンには、ヒイキがないと熱狂しないのではないかと思っていたが、尾崎君には、特別にそれがないらしいが、小山君も同様だといった、小山君も尾崎君に劣らぬ熱血漢で「相撲の勝負は一瞬にして、運命が決する。ここに豪快な人生の味がある」といい、彼は関取の一勝負ごとに、支度部屋に行き、勝ち力士には喜びの声を、敗け力士には、慰めの声を投げているらしかった。