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こうふくについて
幸福について
宮本 百合子
「婦人画報」1946(昭和21)年5月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 9,007 字 · 18 页
また、家庭の主婦の生活、台所の食糧の問題は、直接外で働く男の生活問題と結びついているのです。
今日の社会の問題と申しますのは、私はこういう立場だから、こういうことは知らなくてもいい、私はなんとか楽にやって行けるから、そんなことはどうでもいい、ということは言えないのです。
こんどの憲法草案を、そういう立場から考えますと、私たちにとって非常に重大な関係があることがわかってまいります。
憲法というものは、決して、大理石に刻みつけて、何かの記念品のように、土の中に埋めてしまうものではないのです。生きている私たちの皮膚のうえに書かれる、そして、私たちと一緒に生きてゆくものなのです。ですから、憲法というものは、私たちの今日の、日常生活と照し合せて、私たちはそれを充分に理解し、それを日常化し、そこから、人間が生きて行くものとして、考えなければなりません。
社会は人間が作ったもので、生きるためにあるものであります。人間が生きて行くのに、公平であることを――社会解放を願うのは人間の権利です。そうした見方から、あの憲法草案を見ますと、いままでの日本の憲法というものは御承知の通り、まことに不出来なものでありまして、あれは憲法ではない、ある一つの文章です。