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こうふくのけんせつ
幸福の建設
宮本 百合子
婦人民主クラブ主催講演会の速記原稿、1946(昭和21)年4月8日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 15,347 字 · 30 页
な目におあいになることがよくあるのです。女の人が不幸になる条件を少くする筈の民法では半人前なのですけれども、不幸になってしまった結果に対しては、男並みの十分の責任を婦人は負わされております。そういう矛盾が民法とか憲法にございます。それから只今選挙がありますけれども、私達には公民権がない。だから私達はいろいろな行政機関のなかに役人として入ることができない。婦人がそこの機構のなかに入って働きますならば、配給の問題とか食糧の問題とかだいぶ実際的でよろしいのでしょうけれども、そういう役人になるための公民権はございません。
それから今までの日本は半分近代化して半分はまだ封建的な気分が非常に強く残っております。それは言葉で申しますと、華族とか士家とかいうのはやかましい規定では身分なんですけれども、家庭のなかでも、同じお魚でもお父さんや何かにはお頭のよい方を差上げる。お魚の目玉にはビタミンAがありませんけれども、頭の方には栄養があるのかも知れません。とにかくお頭という意味で家のお頭に差上げるのでしょう。ビタミンが多いから差上げるという親切からでなく形式で差上げる。