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かんとんねぎ
広東葱
国枝 史郎
「講談雑誌」1921(大正10)年9月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 7,425 字 · 15 页
「それが何うしたというのだね?」「花屋敷の檻を逃げ出した広東蛇が此の畑の葱の間に隠れていたのを、夜遅く媾曳から帰って来た可哀そうな支那の留学生が知らずに其奴を踏んだので、噛みつかれて死んだというものさ」「それじゃ蛇が犯人だね」「そうだ」と新井君は頷きながら「この犯罪の裏面には女がいるということを、曾て君に僕は云った筈だ。果して女がついていた。黄華軒にいた美少年ボーイ、あれは実際は女なのだ。あすこの主人の妾なのだ。そして被害者の留学生は、あの支那美人の情夫なのさ」「美少年ボーイが女だって?」「君は不思議に思うだろうがあれは実際女だよ。この前僕は支那料理店に、支那美人がいると云ったろう。その時僕の見た支那美人とあのボーイとが似ているのでハテナと僕は思ったのさ。で夫れをはっきり確かめるため、この前あすこへ行った時、君も充分知っている通り五十銭銀貨を投げてやった。そうするとボーイは周章しく両脚をキッチリ膝へ着け、前方へ曲げて受け取った、で僕は女だと確信した」自分はすっかり感心して新井君を改めて見詰めました。「推理ついでにこの犯罪を如何に我輩が解剖したかそいつを皆な説明しよう――あの犯罪が知れると同時に僕は現場へ駈けつけて行った。