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はいとうだいのかいちょう

廃灯台の怪鳥

山本 周五郎

「少年少女譚海」博文館、1938(昭和13)年7月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 8,578 字 · 18 页

青空文庫

既に東天は明け始めている――この島と五十米突の間隔で左手に突出した岬には、松が一面に茂っていて、その樹間から紅らみかかる東の空が絵のように見える。

「……おや!」

新田はふと立停まって足許を見た。歩廊の板敷の上にまたしても銭蘚苔の小さい片が落ちていたのだ。

彼は低く呻いた。何事か頭に閃めいて来たらしい。その眸子は昵と、眼下に突出している岬のあたりを覓め、右手の指は鉄の柵を急しく叩きだした。――然しそれも暫くのことで、やがて身を翻えすと、元気な足取で螺旋階段を下へ降りて行った。

「謎は三つだ。銭蘚苔と、怪鳥と、それから――翼、空翔ける怪鳥の翼!」

そう呟きながら……。

朝食の後で新田は、傷の手当をしに行くと云って地元の村へ出掛けて行った。事実彼は村医金森博士を訪ね、傷の手当をして貰った。そのとき、博士は彼等がまだ立退かなかった事を怒り、ぐずぐずしていると博士も令嬢も怪鳥のために殺されて了うぞと、自分の事のように熱心に忠告した。

金森村医の許を辞した新田は、何処でどう活躍したのか日暮れ近くになって島へ戻って来た。案じていた博士たちは、どうしたのかと色々訊いたが、新田はただ、