轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

しんりしけん

心理試験

江戸川 乱歩

「新青年」博文館、1925(大正14)年2月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 22,728 字 · 46 页

青空文庫

というのは蕗屋は仮令彼が犯人でなかったとしても、判事の取調べその他によって、犯罪事実をある程度まで知悉しているのが当然だから。そして、植木鉢の底に金があったという事実は、最近の且つ最も深刻な印象に相違ないのだから、聯想作用がそんな風に働くのは至極あたり前ではないか。(又、この手段によれば、現場の有様を復誦させられた場合にも安全なのだ)唯、問題は時間の点だ。これには矢張り「練習」が必要である。「植木鉢」と来たら、少しもまごつかないで、「金」又は「松」と答え得る様に練習して置く必要がある。彼は更らにこの「練習」の為に数日を費した。斯様にして、準備は全く整った。

彼は又、一方に於て、ある一つの有利な事情を勘定に入れていた。それを考えると、仮令、予期しない訊問に接しても、更らに一歩を進めて、予期した訊問に対して不利な反応を示しても毫も恐れることはないのだった。というのは、試験されるのは、蕗屋一人ではないからだ。あの神経過敏な斎藤勇がいくら身に覚えがないといって、様々の訊問に対して、果して虚心平気でいることが出来るだろうか。恐らく、彼とても、少くとも蕗屋と同様位の反応を示すのが自然ではあるまいか。