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しんれいさつじんじけん
心霊殺人事件
「別冊小説新潮 第八巻第一四号(創作二十二人集)」1954(昭和29)年10月15日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 25,557 字 · 52 页
「あなた方は四人そろってなぜ父がビルマの孫をよぶことを思いたったか、その本当のコンタンが知りたいと云ってましたね。すくなくとも実演のはじまるまでは、それがあなた方の最大の関心事であったはずです。ところがね。殺人事件が起ると、これをバッタリ忘れてしまった。無理からぬことさ。当の本人が殺されてしまえばそのコンタンも殺されたも同然で、もはや問題ではなくなったわけだ。私とても同じこと、そのことは、今朝糸子サンから荷物の話をきくまでフッツリ思いだしたことがなかったわけだ。ところが糸子サンの報告をきいてピンときましたね。たぶんビルマの孫の秘密がそのへんにあるんじゃないかとね。それから考えてみた。するといろいろのことがみんなそれに結びつけるとスッキリと説明がつくのですよ。まず第一に、後閑サンはいつも土曜の夕方にきて月曜の朝東京へ戻るのに、今度に限って木曜の夕方にきて金、土と外出もしないということですね。土、日ときまった心霊術の実演会を待つのに木曜から来ている必要はありませんや。いかにハリキッたにしても、子供でもそんなことはやりッこありません。つまり荷物を待つためだ。