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おもい
思い
伊丹 万作
情報局の映画新体制案について
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 4,336 字 · 9 页
これからさき、この問題はいつたいどうなるのであろう。簡単な問題ではない。
次に量の問題であるが、日本国内で、劇映画、年四十八本製作という数字は決して過少ではないと思う。このうち、例年のとおりベスト・テンを選ぶとすれば、なお三十八本の平凡作が残る。少なくとも四十八本全部見逃せない作品ばかりだというようなことは残念ながらちよつと考えにくい。つまり質本位に考えるならば四十八本大いに結構といわなければならぬ。
しかし、今まで一本かりに五万円平均の撮影費だつたのが、本数が四分の一になつたから、今後は二十万円かけられるという計算は、ちよつと楽天的すぎるようだ。我々の知つているかぎりでは、五万円でできる写真に、わざわざ二十万円かけるというようなむだな算術は、映画事業家の間には存在しなかつたように思う。
一率に、どの作品もプリント五十本という案は、本当かうそか知らぬが、もし実現すれば、早晩行きづまるような気がする。プリント数には相当の弾力性を持たせておくのが常識だろう。
ここらで映画の前途に見きわめをつけて、そろそろ手を引く事業家が出てくるかもしれぬが、もしそんなことがあつても、このような多難な時期に映画を見捨てる人に対して、五十万円だの百万円だのという退職手当は出さないでもらいたい。