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かいとうおう

怪塔王

海野 十三

「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1938(昭和13)年4月8日~12月4日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 167,635 字 · 337 页

青空文庫

これは怪塔王がつくった塔の外の景色をながめるテレビジョンの望遠幕です。

おお、飛行機!

とつぜん、そのテレビジョン望遠幕の上に、一台の飛行機の姿があらわれました。

どこの飛行機でしょうか。

いや、たずねるまでもありません。翼と胴とに日の丸がついているから、誰にでもすぐわかるとおりわが海軍機です。

それより前、怪塔ロケットが海面からとびだすと、手ぐすねひいてまっていたわが監視飛行隊は、みなでもって十七機、すぐさまロケットのあとをおいかけたのですが、なにぶんにも霧が深いのと、怪塔ロケットがはやいので、だんだん姿を見うしない、せっかくの追跡もだめになったかとおもわれました。

ところがただ一機、最後までがんばっているのがありました、いま怪塔王が見ているテレビジョン望遠幕にうつりだした一機が、そのがんばり飛行機なのでありました。

この飛行機は、青江三等航空兵曹――略して青江三空曹が操縦している偵察機でありました。同乗の偵察下士は、例の小浜兵曹長でありました。

「おい、そんなにがんばって大丈夫か」

と小浜兵曹長は伝声管をとおして、ただ夢中に舵をとっている青江三空曹によびかけました。