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かいとうおう

怪塔王

海野 十三

「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1938(昭和13)年4月8日~12月4日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 167,635 字 · 337 页

青空文庫

「塩田大尉、血はここでとまっていますよ」

「なるほど、これから先は、どこへいっているのだろうかなあ」

二人は、その室の隅をいろいろとさがしてみました。するとその壁の一番隅っこに、一銭銅貨を五つ並べたぐらいの大きさの、お猿の面がはりつけてありました。

「おや、こんなものがありますよ」

「どれどれ。ほう、お猿の顔の彫りものらしいが、このがらんとした部屋には似あわしからぬ飾りものだね」

そのお猿の面は、鉄かなにかでできていました。

「一体これはなんでしょうね」

一彦は、お猿の面をいじってみました。ひっぱってみましたが、とれません。しかし、横にひっぱってみますと、お猿の面がうごきました。そして下から、思いがけなく鍵穴があらわれました。たいへん大きな鍵穴でありました。

「おやおや、こんなところに鍵穴がありますよ」

塩田大尉も、そこへしゃがんで顔を前へつきだしました。

「なるほど、これは大発見だ。たしかに鍵穴にちがいないが、こんなところに鍵穴があるなんて、どういう仕掛になっているんだろう。しかし、みたまえ一彦君、この鍵穴はずいぶん大きいね。よほど特別製の大きな鍵をつかうのだ。