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かいとうおう
怪塔王
海野 十三
「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1938(昭和13)年4月8日~12月4日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 167,635 字 · 337 页
そのところは、ちょうど聴音機みたいです。それが横だおしになって、長く頸をだらんとのばしているのです。全体はすべて大小のちがいはあれ、管でできているので、蚯蚓の化物のようでもあります。まことにふしぎな機械です。
これをじっとみていた塩田大尉は、だんだん息をはずませてきました。その顔色は、はじめは赤く、そしてのちには青くかわりました。
「塩田大尉。これはどうした機械なのですか」
一彦も、なにかしらぞっとするものを背中にかんじ、大尉のそばによっていきました。
「ふうん、これはね、多分大利根博士が研究中だといっていたあべこべ砲の一種らしい」
「あべこべ砲とは、なんのことですか」
あべこべ砲というのは、きいたことのない名前です。一体この七つの首の化物機械は、なにをする機械なのでしょうか。
3
「あべこべ砲というのはね」
といって、塩田大尉はぶるぶると身ぶるいをしました。
「そんなに恐しい機械ですか」
「うん、もしこれが出来たら、これまでの兵器はみな役にたたなくなるという恐しい機械だ。しかし、それはたいへんむずかしくて、ここ十年や二十年のうちには出来ないだろうという話だった。