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かいとうおう

怪塔王

海野 十三

「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1938(昭和13)年4月8日~12月4日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 167,635 字 · 337 页

青空文庫

「うふん。いよいよこの辺が、こっちのものになるというわけだ。するとあとはもうおそろしくない国々ばかりだ」

怪塔王は、肩をゆすって、うふうふうふと気味のわるい笑い方をいたしました。

この司令室は、まるで電話の交換室のようになっていまして、この怪塔ロケット内のすべての機械の末端がここに集っていますから、この室にすわってさえいれば怪塔を自由にあやつることができるのでありました。いや、この怪塔内ばかりではなく、他のロケットも同様にあやつることができます。つまりいま怪塔王は、その司令配電盤を前にして、地図を見ているのでありました。なかなかうまく出来た司令配電盤でありました。そしてまた、これが怪塔王の心臓のように大事な機械でありました。

ずずずずず。

とつぜん警鈴がひびき、赤い注意灯がつきました。それは怪塔王のところに、無電がかかって来たのをしらせているのです。

怪塔王は、受話器を手にとりました。

「おう、お前は監視機百九号だね。何用か」

「はい、監視機百九号です。いま小笠原附近の上空を飛んでいますが、はるかに北東にむかって飛行中の空軍の大編隊をみつけました」

「なんだって、今ごろ空軍の大編隊が北東にむかっているとは――」