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かいとうおう

怪塔王

海野 十三

「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1938(昭和13)年4月8日~12月4日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 167,635 字 · 337 页

青空文庫

2

空軍の大編隊が、北東にむかって飛んでいるという無電に、司令室の怪塔王はびっくりしました。

怪塔王は、その無電をかけてきた監視機にむかって、

「おいもっとくわしく知らせろ。どこの飛行機か。そして機数は?」

すると返事があって、

「さあ、どこの飛行機か、よくわかりません。じつは、はじめからそのことが気にかかっていたのですが、電子望遠鏡でのぞいても、飛行機にはどこの国のマークもついていないのです。じつに怪しい飛行機です」

「マークがついていない飛行機か。はて、それは怪しい」

怪しい怪塔王が怪しいなどというのです。どっちが怪しいか、おかしいことです。

「おい、飛行機のかっこうから考えて、どこの国の飛行機かわかるだろうに」

「そうですね――いやわかりません。あんなかっこうの飛行機を、今まで見たことがありません」

「日本の飛行機ではないのか」

「いや、今まであんな飛行機が日本にあったように思いません」

「一体、飛行機の数は、どのくらいいるのかね」

「機数は、すっかり数え切れませんが、ちょっと見たところ百五十機ぐらいはいるようです」

「そうか。百五十機の怪飛行隊か――そうだ。