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かいとうおう

怪塔王

海野 十三

「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1938(昭和13)年4月8日~12月4日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 167,635 字 · 337 页

青空文庫

かしこい帆村は、筒の中につながれていると見せかけ、じつはいつの間にか筒を自由に出入りできる身になっていたのです。

小浜兵曹長を海底牢獄からすくいだしたのも彼ですが、兵曹長を山の上にかくしておいて、その夜また行くつもりでいたところ、怪塔王にさとられ、ついに行けませんでした。

しかし、こんど彼はとうとう兵曹長をうまくすくいだしました。そして怪塔内のモーターを焼切ったりなどして、怪塔王をすっかり閉口させています。

さてその帆村探偵と小浜兵曹長は、いまどこにかくれているのでしょうか。

ちょうどそのとき、怪塔王と黒人とが、大困りで顔と顔とを見合わせているうしろで、ことりと音がしました。

二勇士

1

怪塔王と黒人の立っているうしろで、ことりと物音!

怪塔王は、それを聞きのがしませんでした。

「何者か?」

と、うしろをふりかえった怪塔王の眼にうつったものは、何であったでしょう。それは外ならぬ帆村探偵と小浜兵曹長の二人の雄姿でありました。

「うごくな、怪塔王!」

「降参しろ! うごけば命がないぞ」

「なにを!」

怪塔王は、いかりの色もものすごく、とつぜんにあらわれた二勇士へ叫びかえしましたが、何を見たか、