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かいとうおう
怪塔王
海野 十三
「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1938(昭和13)年4月8日~12月4日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 167,635 字 · 337 页
塩田大尉はそれを小浜兵曹長のところへ、さかんに知らせてきます。それを聞いていた小浜兵曹長は、こちらもなんとかしてこの怪塔ロケットをとばせて、むこうから逃げてくる敵の隊長ロケットをむかえうちたいとおもいました。
兵曹長は、黒人のところへやってきて、
「まだこの怪塔ロケットは、うごかないか」
と、聞きました。
「いや、なかなかうごきません。こんなに壊れているのですから、考えてもおわかりでしょうが、直るまでにはなかなかたいへんです」
黒人たちは、そういいました。それで早く直しにかかるのかとおもっていますと、そうでもありません。いやいやながら壊れたところを直しているといった様子が、手にとるように見えます。
これをみて兵曹長は、心中むっといたしました。この調子では、怪塔ロケットの直しができあがるのはいつのことやらわかりません。そこで考えた兵曹長は、黒人たちにむかい、
「お前たち、壊れたところを早く直した者には自由をあたえる。つまりお前たちの生まれた国へ、安全にかえしてやる」
「え?」と、黒人はおどろき顔です。「早く直した者は、奴隷からゆるされるのですか。自由の身にして、かえしてくれるのですか。