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あしのうら

怪奇探偵小説名作選7 蘭郁二郎集 魔像

蘭 郁二郎

蘭郁二郎『怪奇探偵小説名作選7 蘭郁二郎集 魔像』。同一底本的分册已合并为一书。收入:足の裏、穴、息を止める男、腐った蜉蝣、幻聴、孤独、舌打する、植物人間、蝕眠譜、自殺、鉄路、脳波操縦士、古傷、鱗粉。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 109,233 字 · 223 页

青空文庫

それは、叫ぶような、思わず上滑った声であったと見えて、森源は、

「はははは」

と遠慮なく笑うと、皺の寄った小鼻を見せながら、

「ほんとに、是非来て下さい、僕は『変人』で話し相手がないんですから――」

「綺麗なお友達が出来て、大変光栄です」

少しキザないい方だけれど、どうやら有頂天になっていた私には、寧ろ、それが実感であったのだ。私は、今日はそばにルミがいるので、三人鼎座のまま、すっかり腰を落着けてしまった。

その中に、いつとはなく気づき、訝かしく思われて来たのは、外でもないルミのことだった。

というのは、彼女は、実に美しい少女であったし、又その話しっぷりから、高等な教育を受けたらしいことも、よくわかっているのだが、時に、ふっと黙った時の横顔は、まるで彫刻のようにひえびえとする冷めたい、固い表情を見せるのだ。そして、瞬きを忘れていることが屡々ある――。

私はそんな時に、一寸森源を偸見た。すると、森源も、疲れたような、ゆるんだ顔をして、ぼんやり天井を見詰めているのだ。

(私が、図に乗って、あんまり長居をしたせいであろうか)

「やあ、どうも大変お邪魔しまして……、又伺わせてもらいます――」