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よろこばしきちしき
悦しき知識
深瀬 基寛
――停年講義(昭和三十三年九月十六日)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 16,972 字 · 33 页
これはですね、今のこの micro event の時代ではなしに macro-event の時代に、すでにこのことを予言している訳なんです。詩人がどういうことをやるべきかと言うと、fact ――事実――と reason ――理由、(科学者は事実を一生懸命に調べようとする、哲学者は理由を、ものの理由を突き止めようとする。)こういう事実と理由の方向へいらだたしく手を延ばす、何とかして捉えられないものかと、捉えられないものを捉えようとする、これを捕らえようとすることではないと言うんです。むしろ不安定、――さっきの principle of uncertainty ですね、不確定性原理、あの uncertain な状態。それから不可思議、人間の理解を越えている。それから doubt ――懐疑。懐疑の状態にどこまでも止まりうる能力を持つこと、いいですか、一足とびに結論を急がないんですよ。どこまでも uncertain な、不可思議な、懐疑の状態に止まりうる能力。この能力をキーツは、Negative Capability という有名な二字で表わしました。これはまさに科学者の能力といってもいいものなんです。