轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

あくまのでし

悪魔の弟子

浜尾 四郎

「新青年」1929(昭和4)年7月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 25,202 字 · 51 页

青空文庫

それであのさわぎになったに違いないのです。

私は十数時間、汽車に揺られながらいろいろ考えました。そうして今更、すえ子を永久に失ったという感傷的な気分になってしまったのでした。

しかし、あの死体となっているすえ子の肉体の不思議な魅力を思い出して、私はくらい汽車の中でいろいろな女の姿や肉体を想像しました。

私が木曽の×駅に着いたのは二十八日のひる前でした。あなたと二人で行った小さい宿屋に入りました。そうして私は自分の将来を考えたのです。

あの不思議な偶然の一致! 憎い妻と愛しい女! そうして私はこれからさきいつになったら、ほんとうに眠れるのでしょう。

私はもはや此の苦しみには堪えられません。私は死ぬか、気狂いにならなければ此の苦しみから逃れられないのです。私は決心しました。三月二十八日を期して此の世から去るか、気狂いになろうと。

それには私のもっている劇薬が絶好のものです。私は一本の罎を全部のむつもりです。死に得るか、若し失敗してももとの身体でさめる筈はあるまい。こう思いました。

私は最後に、自分の罪を書き遺しておく決心をしました。そうして其の日一日かかって自分が露子を殺そうとした計画を記したのです。