轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
けんせいのほんぎをといてそのゆうしゅうのびをなすのみちをろんず
憲政の本義を説いてその有終の美を済すの途を論ず
吉野 作造
「中央公論」中央公論社、1916(大正5)年1月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 85,839 字 · 169 页
けれども浮浪の徒の政権に与るの危険は、前に述べた通り、住所の制限によりてこれを防ぐことを得べく、また一定の財産を標準として機械的に恒心有るものとこれ無きものとを分かつことは事実不可能であるが故に、畢竟この種の制限は今日何らの意味が無くなったものといわざるを得ない。故に多少の制限を選挙権の範囲の上に加うるの必要がありとしても、財産の有無を以てその標準とするの不当なるは今日は已に余りに明白である。ただしからばこれに代りていかなる標準を採りて制限の基礎とすべきやは極めて困難なる問題である。けれども今日の多数説に従えば制限を付するというその事自身が、已に漸く合理的の根拠を失いつつあるのである。
第二に選挙権を制限すべしという議論には、更にこういう理由を挙ぐるものもある。曰く選挙法の目的は一つには適任者を得るに在る。何人が適任者なるかは多数の能く決し得るところではなくして、少数者のみよくこれを知って居る。故に選挙権を制限するは即ちこの目的に協う所以であると。けれどもこの説は選挙権を極度に制限して、一代議士の選挙に与るものの数を十人とか二十人とかに限るならば、あるいは正当という事も出来るが、現今の如く数千数万の人が係わるという場合においては、制限選挙も普通選挙も実は五十歩百歩なりといわざるを得ない。