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けんせいのほんぎをといてそのゆうしゅうのびをなすのみちをろんず
憲政の本義を説いてその有終の美を済すの途を論ず
吉野 作造
「中央公論」中央公論社、1916(大正5)年1月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 85,839 字 · 169 页
(ロ)三権分立主義
且つこの第一憲法に先だって既に有名なるいわゆる人権宣言の発布をすら見て居る(一七八九年八月二十六日)。その後憲法を変える事凡そ十一回。故に大体憲法はいかなる内容を持つべきかという事は、仏国人の頭には明白に解って居る。故に形式において整わざる憲法でも、仏人はこれを適当に運用するだけの経験はほぼ積んでおったのである。
(ロ)三権分立主義 三権分立の観念は、理論的に定義すると随分やかましい問題になるが、大体をいえば、行政と司法と立法との三つの作用は別々の機関においてこれを行うという事である。昔の、例えば封建時代におけるが如く、法を作るものも、これを実際に施行するものも、またはこれを個々の場合に当てはめて裁判をするものも、皆同一の人であってはいけないというのである。しかし行政は政府で司り、立法は議会その任に当り、司法は裁判所でこれを取扱うという事は、今日ではほとんど問題にならぬ程自明の理と認められており、今更これを立憲国の特色だなどと取立てていうのは、むしろ野暮臭き感がある。そこで今日憲法の特色としてこの方面で主として着眼せられるのは裁判権の独立という方面である。