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けんせいのほんぎをといてそのゆうしゅうのびをなすのみちをろんず
憲政の本義を説いてその有終の美を済すの途を論ず
吉野 作造
「中央公論」中央公論社、1916(大正5)年1月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 85,839 字 · 169 页
一つは純正なる普通選挙主義の要求で、他は選挙区分配改造の要求である。第一の方はたとえ国民全般に選挙権を与えても、財産教育等の標準によって一部少数の階級に二票三票を与えては、名は普通選挙制でもその実制限選挙制と何らその効果を異にしないというのである。即ち白耳義では財産教育ある者に、一定の標準によりあるいは二票、あるいは三票の投票権を与えて居る。英吉利でも財産を二箇所で有って居るものは、その両選挙区において投票する事が出来る制度になって居る。これがたまたま特権階級の利益の擁護に利用さるるから、民本主義の精神の上から見てその当を得たるものではないというのである。複数投票主義の廃止が、多年英国自由党の宿論であり、また白耳義の社会党自由党の共同の主張であることは、我々の知るところである。殊に白耳義においてはこれがために保守党の政府と衝突をして、しばしば大ストライキの勃発なども見たことがある。第二は選挙区の分配を三十年も四十年も昔のままにして置いては時勢の変に伴う人口の移動に適応しなくなるというのである。時勢の進歩は田舎の人口を減じて都会にこれを集中せしむる。