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けんせいのほんぎをといてそのゆうしゅうのびをなすのみちをろんず
憲政の本義を説いてその有終の美を済すの途を論ず
吉野 作造
「中央公論」中央公論社、1916(大正5)年1月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 85,839 字 · 169 页
こういう趣意でこの種の規定は今日各国の憲法に通有の特徴となって居るのであろう。もっとも特別の沿革的理由によってこれを欠くもの、例えば仏蘭西の憲法の如きものもあるけれども、大体においてはこの種の規定は近代の憲法には欠く事の出来ないものとなって居る。因に言う。仏蘭西では一八七〇年第二帝政廃止の後、王政を恢復すべきや、共和制を採るべきやの憲法的問題で非常に議論が長びき、従って憲法制定のためにも五カ年の長い年月を要した。そこで議論の紛々たる部分はそのままとし、差当り欠く事の出来ぬ重要なる原則のみを三つの法律に収めて以て憲法の体裁を作って居る。一つは公権の組織に関する基本法と称し、立法権行政権の分解及びその運用の大綱を定め、第二は元老院の組織に関する基本法と題して主として元老院の事が定めてあり、第三は各種の公権の関係に関する基本法と題して上下両院及び大統領の相互間の関係が定められてある。この三つの法律は皆集まってもいわゆる憲法としての完全な体裁はこれを備えていないのである。けれども仏蘭西は憲法制定においては決して新しい国ではない。否欧羅巴において成文憲法を始めて設けた(一七九一年五月三日)のは仏国である。