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けんせいのほんぎをといてそのゆうしゅうのびをなすのみちをろんず
憲政の本義を説いてその有終の美を済すの途を論ず
吉野 作造
「中央公論」中央公論社、1916(大正5)年1月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 85,839 字 · 169 页
を深く観ずる人の見逃さざるところである。懐疑派の人は動揺のみに着眼する。我々は動揺の陰に不動の中心あることを認識する。社会の輿論というが如きものも、現に我々は我々の居る現在の社会の事はよく分からないものであるけれども、暫く時間空間の関係において我々を第三者の地位に置く時は、ほぼその社会の民衆は何を希望し、何を目的として動いて居るかが想定せられないことはない。もちろん人各々観るところを異にし、何を以てその社会の民意なりとするやについても、必ずしも議論の一致を見る事が出来ない場合もある。しかしながら、とにかく今日の学界の多数説としてはいわゆる「民意」の実在を疑わぬようである。この事はなお学問上大いに論弁するを要する問題であるけれども、余りに専門的になるからここにはこれを略する。ただ民本主義の主張は、一部の論者の難ずるが如く、実在せざる「民意」という仮定を前提とした荒唐無稽な説でないということを承知して貰えばそれでよいのである。
以上を以て予は民本主義に対する各種の批難を弁駁した。政権運用の終局の決定を民意に置くの不当ならざるはこれを以て明白になったと思う。