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わがはいはなぜいつまでもすべてにおいておとろえぬか

我輩は何故いつまでもすべてに於て衰えぬか

大隈 重信

「実業之世界 第五号第五巻」1908(明治41)年9月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 2,415 字 · 5 页

青空文庫

世界は我輩の大学校

失敗すれば如何にしてこれを恢復するかという新たなる第二の希望が起るではないか。この難関を切り抜ける気力がなくてはならぬ。而してこの問題に処して更に経験を得て行くとすれば、失敗も見方に依ては甚だ有益且つ興味あるものである。我輩は如何なる困難、如何なる障碍に遭遇するも決して悲観しない。事が困難になり複雑になればなるほど、益々大なる勇気と興味とを以て常にその解決を試みている。我輩は自らこれを名づけて快楽主義といっている。失敗も成功も何事も常にこの快楽的の眼を以て研究しているから未だかつて苦悶したり、愚痴をこぼしたりした事が無い。何時も愉快で何日も元気である。

世界は我輩の大学校

かくのごとく何事も快楽的に観察する我輩は、如何なる大きな事でも、また如何なる小さな問題でも好んで研究を試みる。研究すればそれについて興味が加わって来る。興味があるから自然また研究を重ねるという具合で、我輩の頭は何時でも愉快に働いている。随ってまた何事に対しても多少の意見を持っている。我輩は門戸開放主義で誰とでも喜んで話をする。この国府津の別荘に来ておっても界隈の爺さん婆さん漁師どもを捉えて話をするが、なかなか面白い。