轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
あるおんな
或る女
有島 武郎
2(後編)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 205,655 字 · 406 页
そういってやおら立ち上がりながら次の間に着かえに行った。
女中が膳部を片づけ終わらぬうちに古藤が来たという案内があった。
葉子はちょっと当惑した。あつらえておいた衣類がまだできないのと、着具合がよくって、倉地からもしっくり似合うとほめられるので、その朝も芸者のちょいちょい着らしい、黒繻子の襟の着いた、伝法な棒縞の身幅の狭い着物に、黒繻子と水色匹田の昼夜帯をしめて、どてらを引っかけていたばかりでなく、髪までやはり櫛巻きにしていたのだった。えゝ、いい構うものか、どうせ鼻をあかさせるならのっけからあかさせてやろう、そう思って葉子はそのままの姿で古藤を待ち構えた。
昔のままの姿で、古藤は旅館というよりも料理屋といったふうの家の様子に少し鼻じろみながらはいって来た。そうして飛び離れて風体の変わった葉子を見ると、なおさら勝手が違って、これがあの葉子なのかというように、驚きの色を隠し立てもせずに顔に現わしながら、じっとその姿を見た。
「まあ義一さんしばらく。お寒いのね。どうぞ火鉢によってくださいましな。ちょっと御免くださいよ」そういって、葉子はあでやかに上体だけを後ろにひねって、広蓋から紋付きの羽織を引き出して、すわったままどてらと着直した。