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せんそうろん
戦争論
「人間喜劇 第一一号」イヴニングスター社、1948(昭和23)年10月1日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 10,716 字 · 22 页
文化団体の如きものに於てすら、官僚性や陰謀政治家性は横溢しているが、自由を愛する公正なる魂は失われているのである。
宗教も、言論も、自由でなければならぬ。排他的、禁止弾圧の精神は、暴力に異ならず、すでに戦争の精神である。共産主義に於ける経済理論はともかくとして、それに附随する排他的、独善的強圧精神は、それ自体反文化的暴力に異ならず、かゝる暴力性は、進歩的の反対で、最も原始的なものである。
事実に於て、共産主義は、進歩的、文化的な思想ではない。なぜなら、個の自覚がないからで、したがって、自由の自覚がないのである。戦争中の日本には、各人に配給はあったが、個の自由はなかった。富貴貧者に生活の差は殆どなかったが、そのようなところに、人間の楽園はあり得ない。個人の自由がなければ、人生はゼロに等しい。
何事も、人に押しつけてはならないものだ。看板をかかげるだけで、自由の選択にまかせなければならない。看板に偽りある時は、自らその責任をとらねばならぬ。
こんな女に誰がした、という無自覚、無責任な、反文化的魂が、いたずらに世相に反抗をもらしたところで、いかなる進歩が有りうるであろうか。