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せんごぶんしょうろん
戦後文章論
「新潮 第四八巻第一〇号」1951(昭和26)年9月1日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 7,728 字 · 16 页
同じように二科のノレンをくぐってもおかしくはないね。憲兵大将の部屋や法廷や廊下にデカデカと漫画をかかげるのも、オデン屋の壁にデンスケや河童をかくのも、二科会場へ三百号のデンスケをかかげるのも変りはないさ。彼らの心境はどこのノレンをくぐっても全然不都合がないだろうが、二科の教祖の心境の方が、どうも変だ。ギョッ、だね。
絵カキにも名文家が多いけれども、いかにも美文名文です。型通りではあるが、物の本質を正確に鋭くつかむという文章の基本的な骨法の欠けているのが多いようです。絵と文学はちがうのでしょう。ところが一流の漫画家は例外なく文章道の達人で、それは漫画の文学性によるのでしょう。それに、アップツーデートということにもよる。これも文学性の一ツと云ってよいかも知れません。理解されないアップツーデートというものはない。しかし理解されない大家や教祖の絵は多い。それはその美が深遠であるというよりも、その美には現代に生きるイノチの欠けるものがあるせいではないでしょうか。現代に生きないイノチは過去にも未来にも生きる筈はありませんよ。芸術の誕生は早すぎることも遅すぎることもない。