轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
せんじりょこうかばん
戦時旅行鞄
海野 十三
――金博士シリーズ・6――
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 10,792 字 · 22 页
そのときベッドの下から大先生の袖を引く者があった。
「おッ」
その怪しげなる袖引き人間は、外でもなく油断をしてここにベッドを並べて止宿中の醤買石委員長であったのである。
「……金博士に見つかればたいへんです。私を窓から逃がして下さい」
醤は泣き声になって、王大先生に囁く。
「よろしい、わしの手を見て、早いところをやれ」
と大先生はベッドの下と連絡をとって、やおら金博士の方へ向き、
「天井のあそこにある彫刻な、あれは中々古いもので、純金だよ。よっく御覧!」
「へえ、あれがね」
金博士を向く、王大先生はお尻のところで手を振る。とたんに硝子窓が大きな音をたてて跳ねかえった。
「あ、あれは何の音?」
金博士の顔が、さっと緊張した。
「あははは、今のは猫がとび出したのじゃ」
「あれで猫ですか。へえ、おどろきましたな。○○の猫は、ずいぶん大きくて人間ぐらいの大きさがあると見えますなあ」
金博士は、大真面目でいった。
窓からとびだした醤は、そのとき運悪く柊の木の枝にひっかかり、顔も手足も血だらけにして歯をくいしばっていたが、金博士の声を耳にしてびっくり仰天、狼狽する途端に、すとーんと地面へ落ちて、いやというほど腰をうちつけた。