轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ピッチャーさつじんじけん

投手殺人事件

坂口 安吾

「講談倶楽部 第二巻第五号」1950(昭和25)年4月10日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 28,243 字 · 57 页

青空文庫

「何一つ変ったことには気付きませんでしたね。私は車で駅へ走りました。駅で暁葉子氏をつかまえるまで、誰にも会いません。自動車の運転手を探して訊いてごらんになると、分るでしょう」

「なるほど、ハッキリした証人がいるわけですね。どんな運転手ですか」

「私は覚えていませんが、先方は覚えているでしょう。昨夜の話ですから」

「そうですとも。すると、十時ちかくまで、大鹿君は生きていたのですね」

「そうです」

「や、どうも御苦労さま。もう、ちょッと、調べがすむまで、待ってて下さい」

葉子、光子、一服の三証人を署にとめておいて、集った資料だけで、捜査会議がひらかれた。

とにかく、岩矢天狗と煙山の行方をさがすのが先決問題であった。

その五 汽車の中の契約

金口と木介は八時半ごろ支局の若い者に叩き起された。ヤケ酒のフツカヨイで、頭が痛み、まことに心気爽快でない。

「大事件が起りましたよ。大鹿投手が昨夜殺されたのです。支局長は捜査本部へつめかけていますよ」

「アレレ。予期せざる怪事件。犯人は誰だ」

「まだ分りゃしませんよ。怨恨、物盗り、諸説フンプンでさ。支局長からの電話では、ラッキーストライクから受けとった三百万円が紛失しとるそうです」