轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ほうろうき(しょしゅつ)
放浪記(初出)
林 芙美子
「女人藝術」1928(昭和3)年10月号~1930(昭和5)年10月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 103,349 字 · 207 页
蓄音器のこわれたゼンマイは昨日もかっぽれ今日もかっぽれだ。
生きる事が実際退屈になった。
こんな処で働いていると、荒さんで荒さんで、私は万引でもしたくなる。女馬賊にでもなりたくなる。
インバイにでもなりたくなる。
若い姉さんなぜ泣くの
薄情男が恋ひしいの……
誰も彼も、誰も彼も、ワッハ! ワッハ! あゝ地球よパンパンと真二つになれッ、私を嘲笑っている顔が幾つもうようよしてる。
「キングオブキングを十杯飲んでごらん、拾円のかけだ!」
どっかの呑気坊主が、厭にキンキラ顔を光らせて、いれずみのような拾円札を、ピラリッとテーブルに吸いつかせた。
「何でもない事だ!」
私はあさましい姿を白々と電気の下に晒して、そのウイスキーを十杯けろりと呑み干した。
キンキラ坊主は呆然と私を見ていたが、負けおしみくさい笑いを浮べて、おうように消えてしまった。
喜んだのはカフェーの主人ばかり、へえへえ、一杯一円のキングオブを十杯もあの娘が呑んでくれたんですからね……ペッペッペッだ。ツバを吐いてやりたいね。
瞳が炎える。
誰も彼も憎い奴ばかりだ。
あゝ私は貞操のない女でござんす。一ツ裸踊りでもしてお目にかけましょうか、お上品なお方達、へえ、てんでに眉をひそめて、星よ月よ花よか!