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ぶんがくとせいかつ

文学と生活

宮本 百合子

「入門文学講座 第三巻」新日本文学会、1950(昭和25)年3月

N3 · 进阶 · 新字新假名 · 17,476 字 · 34 页

青空文庫

いつになったら日本の労働者が、養老年金のとれる社会をつくるだろうと思わずにいられまい。そしてアサの時代は婦人労働者が未組織だったのだということを考え、同時に、現在は組織されていてもまだめいめいの個人生活の苦痛は、個人的な解決にまかされている部面の余り多いことにくらべて、はるかに社会保障の大きい社会主義の社会を思いくらべずにいられないだろう。遠いよその土地の美化された物語としてではなく、このごたついた、でこぼこのひどい、けなげなひとびとの足もつまずきやすい障害だらけの日本の中で、じりりじりりと推しまわされてゆかなければならない、人民の民主主義にたつ社会へ新しいまわり舞台。その仕組みについて考えるとき、彼女は若々しい人生への意欲と愛とにもえればもえるほど、ほかならない自身の肩に、しっかりうけとめて推してゆかなければならない、労働者階級の勝利への心棒があることを感じるだろう。けなげで忍耐づよいアサの知らなかった生活と文学の実感がここにある、新しい歌がある。

文学の仕事をしてゆこうとしている人は、実感を尊重して、文学のこと以外に多くのことを学ばなければならないということは、多くの人によって云われている。