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ぶんがくにあらわれたるとうほくちほうのちほうしょく
文学に現れたる東北地方の地方色
佐左木 俊郎
(仙台放送局放送原稿)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 6,298 字 · 13 页
」
これは久米正雄氏の『雪の驛路』という小説の中の一節であります。東北には相違ないのですが、果たしてどこかということは判然しませんけれども、私は福島地方だと思います。地勢から申しましても、家並みや杜の様子からいたしましても、東北独特の地方色を出しています。いかにも東北の冬を感じさせるものがあります。
白鳥省吾氏にもまた『雪の馬上』という東北の積雪の日を歌った詩があります。
白鳥省吾『雪の馬上』
「大きいマントを身に纒ひ
雪の馬上に跨れば
僕は曳きて門を出づ
二尺に餘る堅き雪
霏々としてまた雪が降る。
車通らず人行かず
見渡す野山一色に
雪を飾りて音もなく
空に綾織る雪の舞
病を得たる身にかなし。
停車場までは路三里
その半ばにて雪霽れぬ
眩ゆき聖き荘かの
雪の世界をざくざくと
歩む馬こそわが身こそ
現世ならぬ尊さよ。」
東北の積雪の感じは出ていると思います。
秋田地方の地方色は、金子洋文氏の『鴎』とか『赤い湖』とかいうような短篇の中によく出て来ますが、私は『牝鶏』という戯曲の背景の中に、如実にそれを見ることが出来ると思います。
金子洋文『牝鶏』
「春の黄昏近く、
東北にある湖畔の百姓家。