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となんせんせい
斗南先生
「光と風と夢」1942(昭和17)年7月15日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 22,262 字 · 44 页
穿ったような見方をするようでいて、実は大変に甘いお人好しである点なども、その一つであろう。三造も時に他人から記憶が良いと言われることがあるが、これも伯父から享けたものかも知れない。肉体的にいえば、伯父のはっきりした男性的な風貌に似なかったことは残念だったが、顱頂の極めてまん円な所(誰だって大体は円いに違いないが、案外でこぼこがあったり、上が平らだったり、後が絶壁だったりするものだ。)だけは、確かに似ている。しかし、伯父との間に最も共通した気質は何だろう。あるいは、二人ともに、小動物、殊に猫を愛好する所がそれかも知れぬ、と、三造は気が付いた。一つの情景が今三造の眼の前に浮んで来る。何でも夏の夕方で、彼はまだ小学校の三年生位である。次第に暮れて行く庭の隅で、彼が小さなシャベルで土を掘っている側に、伯父が小刀で白木を削っている。二人が共に非常に可愛がっていた三毛猫が何処かで猫イラズでも喰べたらしく、その朝、外から帰って来ると、黄色い塊を吐いて、やがて死んでしまった。その墓を二人はこしらえているのである。土が掘れると、猫の死骸を埋め、丁寧に土をかけて、伯父がその上に、白木の印を立てる。