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あたらしいふじんのしょくばとにんむ
新しい婦人の職場と任務
宮本 百合子
明日の婦人へ
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 7,803 字 · 16 页
日本の女性の真実は、家庭にあってのよい妻、よい母としての姿にあるとして、丸髷、紋付姿がそのシンボルのようにいわれていたのは、つい今年の初め頃のことであった。そこで描かれていた女の理想は、あくまで良人の背後のもの、子供のかげの守り、として家庭の敷居内での存在であった。
ところが夏前後から、街頭に千人針をする女の姿が現れはじめた。良人を思い、子を思う妻と母との熱誠が、変化した社会の事情の勢につれて、街頭にあふれ出た。この時はもう優美な日本女性のシンボルであった丸髷はエプロン姿にその象徴をゆずった。
エプロン姿は幾旬日かの間に、良人にかわって一家の経営をひきついで行かなければならなくなった主婦たちの感情を反映するようになり、この多岐な一年の終りの近づいた今日では、女に要求されている銃後の力の内容は、明瞭に一家の経営の範囲を超えた。女の力は広汎な形で時局的な生産動員に向って招かれている。そして毎日、新聞で見る今日の銃後の女としての服装もエプロン姿から、たとえそれがもんぺいであろうと、作業服式のものであろうと、ひとしくりりしい裾さばきと、短くされたたもととをもって、より戦闘的な型へ進んで来ているのである。