轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
しんまんようものがたり
新万葉物語
伊藤 左千夫
「文章世界 第四卷第二號」1909(明治42)年2月1日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 4,832 字 · 10 页
からからに乾いて巻き縮れた、欅の落葉や榎の落葉や杉の枯葉も交った、ごみくたの類が、家のめぐり庭の隅々の、ここにもかしこにも一団ずつ屯をなしている。
まともに風の吹払った庭の右手には、砂目の紋様が面白く、塵一つなくきれいだ。つい今しがたまで背戸山の森は木枯に鳴っていたのである。はげしく吹廻した風の跡が、物の形にありありと残っているだけ、今の静かなさまがいっそう静かに思いなされる。
膚を切るように風が寒く、それに埃の立ちようもひどかったから、どこの家でもみな雨戸を細目にして籠っていた。籠りに馴れた人達は、風のやんだにも心づかないものか、まだ夕日は庭の片隅にさしてるのに、戸もあけずにいる。
軒に立掛けた、丸太や小枯竹が倒れてる。干葉の縄が切れて干葉が散らばってる。蓆切れが飛び散っている。そんな光景の中に、萱葺屋根には、ところどころに何か立枯れの草が立ってる。細目な雨戸の間から、反古張の障子がわずかに見えてる。真黒に煤けた軒から、薄い薄いささやかな煙が、見えるか見えないかに流れ出ている。
鉄砲口の袷半纏に唐縮緬のおこそ頭巾を冠った少女が、庭の塵っ葉を下駄に蹴分けて這入って来た。