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しんのあいこくしん
新渡戸稲造論集
新渡戸 稲造
新渡戸稲造『新渡戸稲造論集』。同一底本的分册已合并为一书。收入:真の愛国心、武士道の山、平民道、我が教育の欠陥、教育の目的、今世風の教育、人格の養成、人格を認知せざる国民、国際聯盟とは如何なものか、女子教育に就て、東西相触れて、イエスキリストの友誼、デモクラシーの要素、教育家の教育、自由の真髄、民族優勢説の危険、ソクラテス、「死」の問題に対して、教育の最大目的。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 94,620 字 · 196 页
けれども道楽に学問をすると、そういうことがない。譬えば育の字の上の子が、何だか芳しい香気がするぞ、美味そうだ、ちょっと舐めてみようと思って、段々肉の方へ向って来る、即ち楽みを望んでクルリと廻って来るのであるから、これほど結構なことはない。道楽のために学問することは、一方から考えると非常に高尚な事である。然るに日本人には道楽に学問するという余裕が未だないといっても宜い。
日本人は頭に余裕がない。西洋人には余裕があることに就いていえば、かの英吉利の政治家を見るに、大概の政治家は何か著書を出すとか、あるいは種々の学術を研究している。今の首相も、せんだっての新聞に載せてあるところを見ると、何とかいう高尚な書物を著わしている。グラッドストーンの如きは、あれほど多端な生涯を送ったにもかかわらず、常にホーマアの研究をしていた。故の首相ソールズベリー侯は自宅に化学実験室を設けておいて、役所から帰ると、暇さえあれば化学の研究をしていた。前首相バルフォアの如きは二、三種の哲学書を著している。然るに日本の国務大臣方にはどういう御道楽があるか。学者の読む真面目な書物などをお著わしになったことは一切ないという話である。