轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

しんぱん ほうろうき

新版 放浪記

林 芙美子

「女人藝術」1928(昭和3)年10月号~1930(昭和5)年10月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 247,330 字 · 497 页

青空文庫

やぶれかぶれの気持ちの中から、いろいろな光彩が弾ける。黒いルパシカを着た壺井繁治と、角帯を締めた片岡鉄兵がにやにや笑っている。

辻潤訳のスチルネルがいくら売れたところで、世の中は大した変りばえもしない。日本と云うところはそう云ったところだ。がんじがらめの王国。――帰り、カゴ町の若月紫蘭邸へ寄る。東儀鉄笛の芝居の話あり。

岸輝子さん黒い服を着ている。私はこのひとの音声が好きだ。――俳優とは如何なるものであろうか……。私には何の自信もないのだけれども、只、こうして通って来るだけだ。そして、ヨカナアンを覚え、オフェリヤを猿真似のように私は朗読する。詩人にもなってみたい、俳優にもなってみたい、そして、絵描きにもなってみたい。

若い周囲には、魔法のように様々な本能が怖れ気もなくうごめいている。この、若い人達の中から、どれだけの名優が生れて来るのかは判らないけれども、この座に坐っている時だけは幸福の門の前に立っているような気がする。紫蘭邸を一歩外へ出ると、何とない自分の将来に対して幻滅を感じるのだけれども、朗読をしている間は倖せな思いがする。

今夜はストリンドベリイの稲妻に就いての講義あり。