轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
りょかくきじけん
旅客機事件
大庭 武年
「探偵」駿南社、1931(昭和6)年11月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 10,209 字 · 21 页
それよりなにより、又自分にとっては、親愛なる三枝を冤罪から助け上げなくてはならぬ義務がある。自分は彼を絶対に信じる。生命を投げ出し合っているエア・メンたちにのみ流れている純真な道徳が、決してそのような犯罪を犯させないであろう事を信じる!――池内は精密に思考をめぐらしてみた。と、又急に思いついた事は、途中で出会ったP民間飛行場の練習機の事である。「そうだ、空中で尠くとも我々以外に我々の機の中の様子を知っている者は、あの機の乗組員だ!」
池内は警察にその旨を通知して、警察からP飛行場に、長距離電話で問い合せてもらった。返事は即ち恁うだった。
「――旅客機に会ったのは午前十一時二十四分。その時に操縦室に操縦士と機関士が着席し、客室に二名の乗客が練習機の方を窓を開けて眺めていた」
報告を受取ると池内は我を忘れて万歳を心に叫んだ。勿論綿井の屍が発見せられたのは、P民間飛行場よりH飛行場に寄ったN原の上であるから、綿井がその頃まだ、機上にいたのは不思議ではないが、秀岡がちゃんと立派に生きていたとは一体何を意味するであろう。一体三枝が便所に行くと称して去ったのが、十一時十分ごろ。