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ひはかがやけり
日は輝けり
宮本 百合子
「中央公論」1917(大正6)年1月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 76,445 字 · 152 页
「親馬鹿」になるはずだと思われた。ならずにはいられないように、命ぜられているのだと、或る点まではいえる。浩は何だか妙な心持がした。善種学を人間が考える根本の心持が、痛切に感じられると同時に、どうせ結局は生活の敗残者とならねばならないように見える、体力にも智力にも適者となる素質の乏しい人までが、自分自身ようようよろめきよろめき歩きながらも、親という位置にほとんど無意識に立っている心持が可哀そうになった。
すべてが大自然の意志である。日が輝やき、月が沈むのと何の差もなく、人が死に、生れ、苦しみするのを自然は見ている。が、決してそうであるのが無慈悲なのではない。求め索ねて得ようとすれば、自然はそれを肯定していると同時に、あるがまま、なるがままにまかせた心で、安穏にしていたとて、何の咎めも与えないのだ。偉いものだ、素晴らしいものだと彼は、つくづく感じたのであった。
国元の父親から来た手紙を見たとき、浩は、小虫を見たときに感じたと全く同じな、一種の心持、全く説明の許されない一種の感にうたれたのである。悲しいというより恐ろしかった。すべては涙をこぼせる程度の状態ではなかった。