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ひはかがやけり
日は輝けり
宮本 百合子
「中央公論」1917(大正6)年1月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 76,445 字 · 152 页
極度の喜びで興奮して、ほとんど狂暴に近い表情をしている庸之助の顔を、一目見た浩の顔にもまたそれに近いほどの嬉しさが表われた。
「よかったねえ。おめでたかったねえ……」
浩は、庸之助の肩を優しく叩きながら、感動した声でいったのである。
「情けないが事実に違いないと思ったのに……。そうだったのか! ほんとうに何よりだ。嬉しいだろう? 君! 結構なことだったなあ!」
庸之助は、翌日から浩の目には、いじらしく見えるほど、元気よく、一生懸命にすべてのことにつとめた。店の仕事はもちろん、自習している数学や英語にでも、今までの倍ほどの努力を惜しまない。そして、わざわざ浩を捕えては、「あのとき、君は分らないって云ったねえ」と、そのつど新しい喜びに打たれるらしい声で繰返しては、愉快げに笑った。
けれども、事件はまるで反対の方に進行していたのであった。有力な弁護があったりして、一旦帰宅を許されていた好親は、ちょうど好い工合にそのとき、息子からの手紙を受取り、返事を遣った。が、それが東京へ着いたか着かぬに、彼の最も信用していた男が、予審でうっかり一言、口を滑らしたがために、好親の運命は、最も悪い方に定まってしまった。