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ひはかがやけり
日は輝けり
宮本 百合子
「中央公論」1917(大正6)年1月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 76,445 字 · 152 页
面白半分である。そして或る者は、幾分庸之助に同情を持ちながら、大勢に反した行為をするだけの勇気を持たないで済まないように思いながら、皆の中に混って心ならずも、嘲笑したり、罵ったりしているのも見られた。浩は庸之助に強い強い同情を燃やしながら、また一方には、仲間の者達にも、哀憐の勝った好意を持っていたのである。
六
庸之助が去って、三日になり四日になった。ああして行きはしたものの、会わないで別れたことでもあり、葉書ぐらい寄こすだろうと、心待ちに待っていた浩は、その望みもそろそろ断念しなければならなくなった。興奮し通していた心持が、次第に落着くに従って、彼は、ほんとうの衷心から涙の滲み出るような思い出や、考えに耽り始めた。
それは、ちょうどその月の決算にほど近い日であった。或る一人が不意に、庸之助の扱かっていた帳簿を、一応検べる必要を云い出した。庸之助のいた時分は、かなり彼を信用していたはずの者まで、今までそのことに不念だったのを、取り返しのならぬことをしたような表情を浮べて、昼の休みを潰して、数字、一字一字から、説明書まで検べて行った。