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にっき
日記
宮本 百合子
28 一九四五年(昭和二十年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 6,467 字 · 14 页
九日
について社会批評もかねて書くことにする。これは極めて有益だと思う、原稿で七八十枚の由。
九日
杉さん、渋谷までリュックを背負ってくれて、自分てっちゃんのところへ行く。電報は六日に埼玉とここと二ところに出したのにどっちにもついていない。恐るべきウナ也。幸在宅。二階で何かの巣のように暮している。下の判事という人、顔を洗っていたら「御高名はかねがね伺って居りました。高等学校時代からお作は拝見していて」とあいさつされた。細い、フルフル浴衣を着て貧血になやんでいる人。支那の法律を研究させられていた、資料みんなやいてしまった由。
てっちゃんといろいろ話す。大体自分の考えているとおり。自分の判断に従ってよいとわかった。たかの御亭主には山口から帰ってから会うことにする。卯女の父さんについても感想をきいた。方針ともいうべきものとして、十五年以後の文芸批評をして「十四年」とまとめて本に出すことにきめた。網走行は中止して、こちらで仕事の用意、生活の用意をしておいた方がよいことになる。自分もそう思う。
〔欄外に〕
東京へ二ヵ月ぶりで入ったら巡査が C. P. とかいた腕章をつけてしおたれている、憲兵が M. P.、そして各省線の駅に Entrance Exit と。