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めいじかいか あんごとりもの
明治開化 安吾捕物
12 その十一 稲妻は見たり
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 26,240 字 · 52 页
さすれば由也にカラクリを施した形跡があっても、その企みの相棒の中には三枝子も含まれているであろう。井戸の中からその屍体が出ないも道理。由也としめし合せてどこかに隠れているのであろうか。さすがの重太郎も、ここに至ってにわかにガッカリしてしまい、
「こうなっては、もうダメです。わが妹が疑わしいと定まっては、天下にも相すみません。かくなる以上は日本一の探偵に秘密をさがしていただいて、一時も早く事実をつきとめ、天下に謝罪しなければなりません」
こう嘆かれて、遠山も慰めるに言葉もなく、二人は同道して結城新十郎を訪ねた。今までの捜査のテンマツを全部語りあかして、真相究明を依頼したのであった。
★
新十郎は話をきき終り、落胆しきった二人を慰めて、
「あなた方はよくおやりになったのですよ。私がやってもあなた方と同じような順で、ほぼ同じことを訊いて廻ったでしょう。ですが、あなた方は個々に判明する事実をいつも組み合せて考えておしまいになる。それだけは私のやらない方法なんです。たとえば、井戸の水音のとき、イナズマに照しだされたのは二人の男の姿であったということと、料理屋でアイビキしていたのは由也氏と三枝子さんらしいということと、どうして二ツが関係したり組み合う必要があるのでしょうか。