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めいじかいか あんごとりもの

明治開化 安吾捕物

坂口 安吾

12 その十一 稲妻は見たり

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 26,240 字 · 52 页

青空文庫

十。それがうけだされた晩は由也は夜ふけの十二時ちかく帰宅した。その晩は三枝子の失踪が発見しての第一夜であるから、残った三人の召使いは男の当吉も含めて女中部屋に由也の帰宅を待っており、彼が帰るまでは誰かが朝まで起きているツモリであった。由也は三人とも起きているうちに帰宅したから三人で出迎えに出たが彼は手ブラであった。その後も彼が何か持ちかえった様子はない。

以上の通りであった。新十郎はテイネイに読んでうなずいて、

「よくお調べでしたね。いろいろ重大なことが、この結果によって語られていますよ」

「どれが重大なことですか」

「ほとんど一ツ残らず。さて、私が調べておいたことを申しあげましょうか。これは向島方面の警察と区役所の戸籍の係りからの返書で、料亭カネ万の女将はヤッコの抱え主の小勝と五親等の縁戚に当っておって、小勝も抱えのヤッコもカネ万とはジッコンにつきあっておりますよ。両者の交誼は現在に至るまでジッコンにして変化を認め得ず。これは警察の調べです」

「それは何を示しているのでしょうか」

重太郎が思い余ったように訊く。新十郎はニコニコして、

「あんまり重大すぎて、その御自分の推察を心配なさッていらッしゃるのでしょう。