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めいじかいか あんごとりもの

明治開化 安吾捕物

坂口 安吾

16 その十五 赤罠

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 33,372 字 · 67 页

青空文庫

ここを見落すほどモウロクもしないつもりだが」

「棺桶の大きさは?」

「当り前の大きさだね。材木は上物だろうが、大きさは並より大きいものではない。喜兵衛はガッシリした身体つきだが、並以上の大男じゃアないねえ。再びロッテナム美人術の手口とのお見立てらしいが、二重底の仕掛けにだまされる私らじゃアないらしいようだなア。ハッハッハア」

それから三日目。新聞の片隅に、重二郎の姿が見えないという記事を見て、新十郎は花廼屋と虎之介をさそい、

「重二郎の姿が見えないそうですが、探しに行ってみませんか」

こう云われて二人はにわかに思い入れよろしく、

「そこだよ。私もねえ。当日ここをたつ時から本日の被害者は一人じゃないと見ていたね」

三名は本宅を訪ねて使用人一同にきいてみると、小僧の平吉と半助が、

「番頭さんは葬式の前日の午後二時ごろ向島の寮からの使いが来て、そッちへ出むいたようです」

というのが、本邸で最後に彼の姿を見たという者の言葉であった。

「使いの者を覚えているかね」

「寮の車夫の房吉ですよ。番頭さんはその車にのって出かけました」

喜兵衛が死んでから、清作が本邸へつめているというので、新十郎は面会をもとめ、